2014年10月3日金曜日

渓声山色

渓声山色(けいせいさんしき)


有り難いことに、実家から宮崎奕保(みやざきえきほ)禅師の墨跡が出てきました。
菩提寺が曹洞宗であることから、その関連で宮崎禅師御存命の際に永平寺詣出をなさったどなたかから頂戴したものではないかと推測しています。





東京書籍発行 広説佛教語大辞典より

けいせいさんしき 谿聲山色 (臨済宗でも曹洞宗でもよみは同じ)蘇東坡が悟道したときの偈のことば。谷川の水の流れる音(せせらぎ)や山のはだの意。このような自然現象も修行者にとっては、ブッダの妙なる説法の声であり、またブッダの生きたすがたであることをいう。

道元禅師の正法眼蔵にも渓声山色の項があります(下図の本P107~127)。宮崎禅師がこの四字を揮毫されたときには、この中で語られていることを頭に思い描きながらお書きになったのではないでしょうか。ちなみにこの本では振り仮名が「けいせいさんしょく」となっています。

岩波文庫 道元著 水野弥穂子校注 「正法眼蔵(二)」

古い言い回しに抵抗のない方は、無料で近代デジタルライブラリーの「正法眼蔵谿聲山色」が読めます。「正法眼蔵」と「谿聲山色」をキーワードとして「詳細検索」するといろいろ表示されます。

宮崎奕保禅師に関する書籍を数冊読みました。

・ 講談社 石川昌孝 「坐禅をすれば善き人となる 永平寺宮崎奕保禅師百八歳の生涯」
・ 朝日文庫 瀬戸内寂聴 宮崎奕保 「また逢いましょう」

(株)ぱんたか 宮崎奕保 「新編 若き仏たちへ」


これらの本を読むと、宮崎奕保禅師は重責をつとめた位の高いお坊様であったこと以上に、厳しい修行の末に深い悟りを得た真に尊敬に値するお坊様であったことがわかります。

そんな宮崎禅師の墨蹟と出会うことができて嬉しく思います。