2015年9月7日月曜日

マハーカルナー禅師の原始仏教トーク-No.001-諸悪莫作・衆善奉行~悪いことはせず、善いことをしよう~(音声から文字起こししたもの)

これはpodcastの音声を聴いて文字にしたものです。誤字脱字があるかもしれません。見つけ次第訂正したいと思います。

すでに同じ音声の文字起こしをなさっている他の方がいらっしゃるかもしれませんが、無常の世の中、自然災害、事故、等なんらかの理由で、音声や文字で伝える幾つかのサイトが一度に失われてもおかしくありません。


そのような状況でも、残っているサイトがあれば、貴重な教えを残すことができると考えて、自分も文字にしたものを掲載します


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スッタニパータの第四、八つの詩句の章の第二、第775経に、次のように説かれています。


人はここにおいて、学ぶべきである。
世間で不正であると知られている、どんなことであろうとも、それのために不正を行 ってはならない。
人の命は短いものだ。
と賢者は説くからである。

中村元先生の訳ですが。

これの意味するところは、お釈迦様がご自分でおっしゃっておられる。


私の教えが世の中にあるうちに、人は自らを磨くべきである。
世の中には、色々と悪事はある。
しかし、たとえ他の誰もがやっていようと、自分自身がずっとそれをやってきていようと、だからと言って、悪いことをやって良いという理由にはならない。
この人生は短い。

これはどういうことか。

良い果報を得るための善行を行う時間は、限られているということですね。

だから、悪いことはするな、善いことをせよ、と教えてくださっているわけです。

実に、これが仏教の教えの根幹です。

最も大切な教えであると言えます。

仏教の教えとは、とどのつまり、諸悪莫作、衆善奉行、諸々の悪いことをせず、諸々の善いことを実行しなさい、ということに他ならないわけです。

これは詳しく言うと、七仏通戒偈(しちぶつつうかいげ)と言われる、釈尊とその前の六人のブッダ達、すなわち、ウィパスィー、スィッキー、ウェサブー、カクサンダー、コナガマナー、カッサパーの六人のブッダ達。

そして、釈尊ご自身を加えて、七仏。

この七仏の共通の教えだ、というわけです。

これを七仏通戒偈と日本語では言う。

これはダンマパダの第十四章、仏の章というのがあるんですが、その第183経に説かれています。


諸悪莫作(しょあくまくさ)、衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)、自浄其意(じじょうごい)、是諸仏教(ぜしょぶつきょ)
諸々の悪をなすことなく、諸々の善を行い、自らの心を清くすること、これが諸々のブッダの教えです。

となります。

パーリ語では、


サッバパーパッサ、アカラナム、クサラッサ、ウパサンパダー、サチッタ、パリヨダパナン、エタン、ブッダッサ、サーサナム

となります。

これを直訳すると、


一切の悪をなさぬこと、善に至ること、心を浄化すること、これがブッダ達の教えである

ということですね。

さて、ダンマという言葉があります。

ダンマという言葉には、いろいろな意味がありますけれども、善いこと、正しい法、仏教では、それもダンマと言います。

ですからお釈迦様は、ダンマに沿ったことをしなさい、ダンマに外れたことはするな、と教えてくださっているわけです。

お釈迦様は、どういうことについて、ダンマに沿ったことをしなさい、ダンマに外れたことはするな、とおっしゃっておられるのでしょうか?

どんなことについて、悪をなすな、善をなせ、とお説きになっているのでしょう?

お釈迦様は、中部経典の第97経、ダナンジャーニ経というお経で、次のようにお説きになっておられる。


両親のためと言えども、ダンマに外れた行いを、決してなしてはならない。
妻や子供のためと言えども、ダンマに外れた行いを、決してなしてはならない。
雇い人のためと言えども、ダンマに外れた行いを、決してなしてはならない。
友人のためと言えども、ダンマに外れた行いを、決してなしてはならない。
親戚のためと言えども、ダンマに外れた行いを、決してなしてはならない。
お客様のためと言えども、ダンマに外れた行いを、決してなしてはならない。
祖先のためと言えども、ダンマに外れた行いを、決してなしてはならない。
神様のためと言えども、ダンマに外れた行いを、決してなしてはならない。
国王のためと言えども、ダンマに外れた行いを、決してなしてはならない。
自分の国のためと言えども、ダンマに外れた行いを、決してなしてはならない。
自分の体を快適に保つためと言えども、ダンマに外れた行いを、決してなしてはならない。
自分の体を健康に保つためと言えども、ダンマに外れた行いを、決してなしてはならない。
そうではなく、両親のためだからこそ、ダンマに沿った正しい行いをなしなさい。
妻や子供のためだからこそ、ダンマに沿った正しい行いをなしなさい。
雇い人のためだからこそ、ダンマに沿った正しい行いをなしなさい。
友人のためだからこそ、ダンマに沿った正しい行いをなしなさい。
親戚のためだからこそ、ダンマに沿った正しい行いをなしなさい。
お客様のためだからこそ、ダンマに沿った正しい行いをなしなさい。
祖先のためだからこそ、ダンマに沿った正しい行いをなしなさい。
神様のためだからこそ、ダンマに沿った正しい行いをなしなさい。
国王のためだからこそ、ダンマに沿った正しい行いをなしなさい。
自分の国のためだからこそ、ダンマに沿った正しい行いをなしなさい。
自分のためだからこそ、ダンマに沿った正しい行いをなしなさい。

このように教えていらっしゃいます。

そうするのが、最も優れたことである、とお説きになっておられます。

国であろうと、神であろうと、ダンマを超えるものは何もありません。

一切の世俗的な事象は、皆流れ去っていきます。

何ひとつ、当てになるものはありません。

だから、ダンマだけを頼りに歩んでゆく。

それが、幸せに至る唯一の道だ、このように教えていらっしゃいます。

それでは次回から、どうやって、ダンマに沿って、正しい行いをなしていくのか、それを、皆さんと一緒に、少しずつ、具体的に、勉強していきましょう。

(以上)
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