2015年10月24日土曜日

マハーカルナー禅師の原始仏教トーク-No.005-四摂法Ⅱ-愛語~やさしい言葉で語りかける(podcastの音声から文字起こししたもの)

これはpodcastの音声を聴いて文字にしたものです。誤字脱字があるかもしれません。見つけ次第訂正したいと思います。

すでに同じ音声の文字起こしをなさっている他の方がいらっしゃるかもしれませんが、無常の世の中、自然災害、事故、等なんらかの理由で、音声や文字で伝える幾つかのサイトが一度に失われてもおかしくありません。


そのような状況下でも、残っているサイトがあれば、貴重な教えを残すことができると考えて、自分も文字にしたものを掲載します。


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前回から、社会で生きていく上で最も大切な心得であると言われている、お釈迦様直伝の成功法、四摂法(ししょうほう)についての解説を始めました。

今回は、その第二回、
愛語(あいご)、相手に対してやさしい言葉をかけなさい。
です。

では最初に、四摂法、人を慈しみで包み込む四つの態度、とはどんなものか、もう一度復習しましょう。

四摂法とは、
一、相手に対して、布施を行いなさい。
二、相手に対して、やさしい言葉をかけなさい。
三、相手に対して、善なる心を持って、善なる行為を行いなさい。
四、心にある、自分と相手との境界線を、取り払いなさい。
以上の四つです。

この四つを実践していけば、誰からも好かれ、尊敬され、人望も上がり、仕事も、家庭も、修行も、すべてにおいて成功していくことができる、とされています。

では早速、今回のテーマである、愛語、相手に対してやさしい言葉をかける、についてお話ししていきましょう。

相手に対してやさしい言葉をかける、とはどういうことでしょうか?

まず初めに、お釈迦様の、言葉に関する教えを見てみましょう。

お釈迦様は、
言葉を四つの方法でコントロールしなさい、
と教えてくださっています。

四つの方法による言葉のコントロール、とは何でしょうか?

まず、嘘をつかないこと。

特に、人の評判を損ねたり、不当な損害を与えんがために嘘をつくこと。

また、自分が値しない名声を得たり、不当な利益を得んがために嘘をつくこと。

これらは、重大な不正行為として、強く諫めていらっしゃいます。

次に、他人を仲違いさせるようなことを話さないこと。

これは、AさんにBさんの悪口を言い、BさんにはAさんの悪口を言って、AさんとBさんを仲違いさせる、という場合もありますし、物事を自分の望む方向に持って行くために、AさんとBさんに対して、都合の良い、事実とは異なることを、それぞれに話して、物事を、自分の利益となる方向へ、操っていこうとする場合もあるでしょう。

このような行為を、両方の舌、という字を書いて、両舌(りょうぜつ)と言いますが、この両舌についても、特に、他人の評判を損ねたり、他人に損害を与えんがために、両舌が行われた場合、あるいはまた、自分には値しない名声を得たり、不当な利益を得んがために両舌が行われた場合は、非常に重大な悪業となるとして、強く禁じておられます。

三つ目は、他人に対して声を荒げたり、大声を出したり、強い表現を使ったりしない、ということです。

話している内容が真実か真実でないか、は関係ありません。

決して、ドッサ、すなわち怒りや不快感を持って人に話しかけてはならない。

また、たとえこちらが怒りや不快感を持っていなくても、相手に、怒りや不快感、不安、恐怖、嫉妬、後悔などを喚起させてしまうような話し方をしてはならない、ということです。

最後の四つ目は、人のうわさ話や興味本位のゴシップ、無駄話などをしない、ということです。

仏教徒の基本的な約束事である五つのルール、五戒、の中に、嘘をついてはいけないということは入っているけれども、声を荒げてはいけない、ということは入っていませんから、仏教を学んでいる人達の中には、時として声を荒げても戒律には違反しないだろう、と考えている人がいるかもしれません。

あるいは、もっと高度な戒律を守る段階になったら気をつけよう、と高をくくっているかもしれません。

しかし、もともと、これら言葉についての四つのルールは、別々のものではなく、八正道(はっしょうどう)の中の正語(しょうご)、正しい語と書いて正語ですが、この正語の中で、お釈迦様が、まとめてお説きになったものです。

実は、正語は、言葉に関する四つのルールではありません。

正語とは、言葉を四つの面から自然にコントロールできるような心のはたらき、を言います。

正語とは心の状態なのです。

そして大切なことは、正語という心の状態になれば、四つの方法による言葉のコントロールは、どれひとつも欠けるということはなく、皆同時に達成されるということです。

どれひとつも欠けることはありません。

これら、言葉についての四つのコントロールは、もともと、ひとつの心の状態から出てくるものですから、これだけを守って、こっちは守らなくて良い、ということはあり得ないのです。

例えば五戒の中の、嘘をつかないというルールは、嘘をつかないということに、特に重点的に気をつけながら、言葉に関する四つのルールをすべて守っていきなさい、という意味です。

嘘をつかないということに特に気をつけながら、両舌や、声を荒げることや、無駄話をすることなども、同時に無くしていくのです。

嘘をつかないということに四つのすべてが含まれている、と考えなくてはいけません。

それではいよいよ、今日のテーマである四摂法の二つ目、やさしい言葉をかけなさい、ということについてお話しましょう。

やさしい言葉をかける、とは四つの言葉のルールの中の三つ目、他人に対して声を荒げたり、大声を出したり、強い表現を使ったりしない、ということと同じですね。

話している内容が真実か真実でないか、は関係ありません。

決して、相手に対して、怒りや不快感を持って話しかけてはならない。

また、例え怒りや不快感を持っていなくても、相手に怒りや不快感、不安、恐怖、嫉妬、後悔などを喚起させてしまうような話し方をしてはならないということです。

それが、やさしい言葉で話しなさい、ということになるのです。

そしてここでも、やさしい言葉で話すということを重点的に気をつけながら、同時に、嘘をつかない、両舌を使わない、無駄話をしない、ということも一緒に守っていくのです。

どうですか?

このようにすれば私たちは、家族や、自分にとって大切な人や、友人、同僚、仕事の相手、その他、社会の中で出会うあらゆる人々との間で、言葉の過ちによる無用なトラブルを避けることができるでしょう。

前回もお話しした通り、和やかな表情とやさしい言葉は、人々に対する最高の贈り物です。

和顔施、和語施は、お金のかからない最高の布施なのです。

この、とてもシンプルなダンマさえ理解すれば、私たちは、他の人達と共存しながら、もっとずっと幸せに過ごすことができるようになるでしょう。

それでは最後に、もう一度繰り返します。

四摂法、人を慈しみで包み込む四つの態度、とは、
一、相手に対して、布施を行いなさい。
二、相手に対して、やさしい言葉を話しなさい。
三、相手に対して、善なる心を持って、善なる行為を行いなさい。
四、心にある、自分と相手との境界線を取り払いなさい。
この四つです。

この四つだけを実践していけば、あなたは誰からも好かれ、尊敬され、人望も上がり、そして、仕事も、家庭も、修行も、すべてにおいて成功していくことができるでしょう。

次回からは、四摂法の第三番目、相手に対して、善なる心を持って、善なる行為を行いなさい、ということについて詳しくお話ししていきましょう。

(以上)
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