2016年1月5日火曜日

マハーカルナー禅師の原始仏教トーク-No.22-正しい見解を持つ~誤った見方に囚われず、ダンマを正しく理解する~(podcastの音声から文字起こししたもの)

これはpodcastの音声を聴いて文字にしたものです。誤字脱字があるかもしれません。見つけ次第訂正したいと思います。

すでに同じ音声の文字起こしをなさっている他の方がいらっしゃるかもしれませんが、無常の世の中、自然災害、事故、等なんらかの理由で、音声や文字で伝える幾つかのサイトが一度に失われてもおかしくありません。

そのような状況下でも、残っているサイトがあれば、貴重な教えを残すことができると考えて、自分も文字にしたものを掲載します。

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ダンマについて正しい見解を持つこと、誤った見解に囚われず、ダンマを正しく理解すること、これは、仏教修行者にとって、とても大切なことです。

正しい見解を持つことは、仏教修行を進めていく上で、最も大切な条件の一つです。

それ自体が智慧の修行であり、すばらしい善行でもあります。

正しい見解、すなわち、正見(しょうけん)、には二種類あります。

第一の正見は、
善なる行為を行えば、楽を伴う結果が得られ、不善なる行為を行えば、苦を伴う結果が訪れる。
善業楽果(ぜんごうらっか)、悪業苦果(あくごうくか)、の法則は真実である。
自分が今所有している、家や物や財産や家族も、皆、過ぎ去っていくものであり、自分がこの世を去るときには、皆、手放していかなければならないものである。
生死を超えて自分が本当に所有している、と言えるのは過去世から現在に至るまで、延々と形成し蓄積してきたカンマだけである。
という見解です。

この見解を業自性正見(ごうじしょうしょうけん)と言います。

カンマの法則を正しく理解する、ということですね。

二つ目の正見は、

八正道に説かれている正見、すなわち、苦集滅道(くじゅうめっとう)という四聖諦の理法の、正しい理解です。

これは、輪廻の原因を正しく理解し、解脱への道を実践するという、仏教における最高の智慧となります。

アングッタラニカーヤの巻の一、第百七十三経で、お釈迦様はおっしゃっておられます。
ある人々は、人の運命は既にすべて確定しており、今更何をやっても無駄である、という宿命論的な誤った見解を持っている。
また別の人々は、造物主たる神が、人や世界をお造りになられ、一切は神の御心のままに存在する、神の御意志の前では、人間の思いや行動は何の力も無い、という誤った見解を持っている。
さらにまた別の人々は、この世には、業も、業の結果も無く、どんなに悪いことを行っても、苦しみの結果が訪れるわけではない、という誤った見解を持っている。
このような人々は、その誤った見解の故に、生き物を殺し、盗みを行い、邪淫を犯し、嘘をつき、両舌を使い、怒りに満ちた罵詈雑言を放ち、無駄話を口にする。
強欲で、すぐ腹を立て、自らの誤った見解を、決して正すことがない。
彼らには、自分が今、どういう行為をなすべきか、どういう行為を避けるべきか、どうやったら人生を改善することができるか、を考え実践する、意欲や努力が無い。
こういう人々には、煩悩を根絶し、解脱に至るための、正しい智慧は決して訪れない。
一方、ある種の人々は、智慧ある者が語る言葉を聞き、智慧をもって、それについて深く考える。
このことによって、彼ら自身もまた、智恵を得、福徳を得るのである。
と、おっしゃっておられます。

誤った見解に固執して人生を送れば、多くの悪行をなし、苦しみに満ちた四悪趣に転生してしまう危険性があります。

誤った見解に囚われず、正しい見解を身につけていけば、善き境界に転生することができますし、近い将来、ニッバーナに至ることも可能になるかもしれません。

では、正しい見解は、どのように身につければよいのでしょうか?

正しい見解が生起するための、適切な条件を与えてあげれば、正しい見解は、自然に生起します。

適切な条件とは何でしょうか?
一、智慧ある人が語る、四聖諦の智慧についての説法を、注意深く聞き、学ぶこと。
二、自分や自分の身の回りについて、鋭い気づきをもって観察し、そこに、四聖諦の理法を見いだしていくこと。
三、自分や自分を取り巻く世界をよく観察し、そこに隠されている、無常、苦、無我、不浄、という四つの本質的な性質を見抜いていくこと。
四、先に述べた、業自性正見、すなわち、善なる行為を行えば、楽を伴う結果が得られ、不善なる行為を行えば、苦を伴う結果が訪れる。自分が持っている一切は、皆、過ぎ去っていくものであり、生死を超えて、自分が本当に所有している、と言えるのは、過去世から現在に至るまで延々と形成し蓄積してきたカンマだけである、という真理を深く考え、理解し、心に刻み込むこと。
このような日々の努力を通じて、正しい見解を持つことができれば、私達は、多くの災いを避け、すばらしい未来を実現させることができます。

さあ、これからも、一刻も早い自己完成を目指して、一緒に頑張っていきましょう。

以上
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