2016年2月13日土曜日

マハーカルナー禅師の原始仏教トーク-No.033-Dukkha-3~十三種の苦 第2回~(podcastの音声から文字起こししたもの)

これはpodcastの音声を聴いて文字にしたものです。誤字脱字があるかもしれません。見つけ次第訂正したいと思います。

すでに同じ音声の文字起こしをなさっている他の方がいらっしゃるかもしれませんが、無常の世の中、自然災害、事故、等なんらかの理由で、音声や文字で伝える幾つかのサイトが一度に失われてもおかしくありません。

そのような状況下でも、残っているサイトがあれば、貴重な教えを残すことができると考えて、自分も文字にしたものを掲載します。

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生老病死に続いて、お釈迦様は、ソカ、パリデヴァ、ドゥッカ、ドマナッサ、ウパーヤーサ、という五種類の苦の解説をされています。

これらの苦は日本語で、様々に訳されていますが、訳語が一定せず、同じ日本語が、異なる翻訳者によって、別のパーリ語に当てられるなど、混乱が生じていますので、今回は、パーリ語の用語をそのまま使って解説することに致します。

まず最初に知っておいて頂きたいことは、これら五種の苦は、生まれる苦、老いる苦、死の苦のように、私達の生存そのものに内在する、決して逃れることのできないような苦ではない、ということですね。

人の世に生きている以上、多かれ少なかれ、これらの苦を必ず感じますが、人によって大きな差がありますし、また輪廻転生する有情の中でも、たとえば梵天界などに再生した有情は、この五種類の苦を一切感じません。

ですからやはり、この五種類の苦は、存在そのものに内在する苦とは言い切れないわけですね。

では、早速始めましょう。

ソカ、パリデヴァ、ドゥッカ、ドマナッサ、ウパーヤーサと五種類ありますが、最初の二つと最後の一つ、すなわち、ソカ、パリデヴァとウパーヤーサを、一つのグループ、そして三番目と四番目、ドゥッカとドマナッサを、もう一つのグループというふうに二つに分けると、理解しやすいかもしれません。

ではまず、第一のグループから始めましょう。

最初のソカ、これは悲しいという感情です。

人を号泣させるような悲しみ、これをソカと言います。

実は、ソカと次のパリデヴァというのは、ワンパックになっています。

パリデヴァというのは、感情ではなく、激しく泣くことです。

号泣することです。

その行為自体を指します。

ちょっと涙が出る、涙が頬をつたうというレベルではなく、激しく泣きじゃくる、しゃくり上げながら号泣する、激しく泣くという行為を、パリデヴァと言います。

パリデヴァは感情ではなく、激しく泣く行為ですね。

そして、そのときの感情がソカというわけです。

ですから、この二つは、ソカパリデヴァというふうに、よく一緒にくっつけて使われます。

悲しみのあまり号泣する、というようなニュアンスになります。

ソカパリデヴァと言えば、ソカという激しい悲しみの感情のゆえに、パリデヴァ、すなわち号泣するということになるわけです。

そして、これが第一のグループの最後の、ウパーヤーサにつながっていきます。

ウパーヤーサとは、絶望です。

希望の光を完全に失った苦悩、出口の見いだせない苦悶です。

涙もとうに枯れ果てて、泣くこともできない状態です。

お釈迦様は、悲しみと号泣から絶望へ、ソカパリデヴァからウパーヤーサへと至る、いつの時代の人間にも共通する苦を、ここでお説きなっておられるのです。

それでは次に、第二のグループについてお話しましょう。

第二のグループは、ドゥッカとドマナッサですね。

ここでお釈迦様は、より全般的な苦の説明をされています。

前々回に、三種の苦、というお話を致しました。

その時、第一の苦すなわち身体の痛み、そして、第二の苦すなわち心の不快感について、解説致しました。

ここでお釈迦様が解説されているのが、まさにそれに当たります。

ドゥッカとおっしゃっているのは、ここでは一番目の苦、すなわち身体で感じる痛み全般のことなのです。

そして次のドマナッサというのが、心で感じる不快、苦しみ、全般を指しています。

心で感じる苦というのは、悲しみだけではありません。

「あ、嫌だな。」という、ちょっとした不快感も苦ですし、カッとして怒ることも苦です。

嫉妬も、物惜しみも、後悔も皆、苦です。

これらがすべて、ドマナッサと言われる感情ですね。

前回お話しした生老病死の中に、病、病むことの苦というのがありました。

これは実際には、ドゥッカ、身体の苦と、ドマナッサ、心で感じる苦、この二つが一体となって現れる現象、一体となって現れる苦、と言うことができます。

お釈迦様は、様々なお経で、苦を生老病死ではなく、生老死としてお説きになっておられますが、そのときは病気の苦を、ドゥッカとドマナッサ、身体の苦と心の苦の中に加えてお説きになっておられるのです。

それでは、今回のテーマであるソカ、パリデヴァ、ドゥッカ、ドマナッサ、ウパーヤーサを、もう一度整理してみましょう。

まず第一のグループ、ソカとパリデヴァ、そして最後のウパーヤーサ。

ソカは、激しい悲しみでしたね。

そのゆえに、パリデヴァ、号泣する、という行為が加わります。

ソカパリデヴァで、泣き叫ぶような激しい悲しみを意味します。

そしてウパーヤーサ、涙も枯れ果てた末の絶望です。

まったく希望が見えない、真っ暗な心の状態です。

以上が、ソカ、パリデヴァ、とウパーヤーサから成る、第一のグループでした。

そして第二のグループは、ドゥッカとドマナッサです。

前々回説明した、第一の苦と第二の苦にあたります。

ドゥッカが、身体で感じる痛みや苦痛全般を意味します。

わずかな痛みから、激しい肉体的苦痛まで、すべてを含みます。

そしてドマナッサ。

これは、心で感じる不快感や苦悩全般です。

ちょっとした嫌悪感から激しい悲しみ、絶望まですべて含まれます。

ですから実際は、ソカやウパーヤーサも、ここに含むことができるわけですね。

以上がドゥッカとドマナッサで、第二のグループとなります。

これで、今回解説した五種類の苦、ソカ、パリデヴァ、ドゥッカ、ドマナッサ、ウパーヤーサとなるわけです。

前回の、生老病死を加えれば、生、老、病、死、ソカ、パリデヴァ、ドゥッカ、ドマナッサ、ウパーヤーサとなるわけです。

これで、四プラス五、九種類の苦を勉強したことになります。

十三種類の苦、残りはあと四つです。

それらについては、次回まとめて勉強することに致しましょう。

以上
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